情報トビックス

トップページ > 情報トビックス > 中国情報

2014-06-03      閲覧数(2036)

[FT]任天堂が業績下方修正、スマホ戦略は不可避に

任天堂は少なくとも一貫性という点では評価できる。ここ数年のスマートフォン(スマホ)ブームにあっても、現代のゲーム産業の基本モデルにこだわり続けてきた。ゲーム機を低価格で、場合によっては損失を出してでも販売し、ソフトの売り上げで稼ぐという方式だ。

だが、今やこのモデルは崩壊したように見える。任天堂は17日、2014年3月期の業績予想を下方修正し、連結最終損益が 550億円の黒字から250億円の赤字に転落する見通しだと発表した。据え置き型ゲーム機「WIIU」や携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」の全世界 売上高が目標に届かなかったためだ。

上場後52年間で2度目の赤字

ソフト売り上げの大きな落ち込みも避けられなかった。例えば、WIIUのソフトは販売予想を従来の3800万本の半分に 引き下げた。東京を拠点とするゲーム業界コンサルタント、セルカン・トト氏は、クリスマス商戦が「最悪」だったと述べ、「思い切って新たなことを始めるの が唯一の解決策だ」と指摘した。

任天堂が最終損益で赤字に転落するのは上場後の52年間で2度目で、1度目は2年前だ。アナリストによると、今回の赤字の理由はいくつかある。

WIIUは12年に鳴り物入りで発売されたタブレット(多機能携帯端末)型コントローラー付きのゲーム機だが、今はソ ニー・コンピュータエンタテインメントの「プレイステーション4」やマイクロソフトの「XboxOne」といった新型ゲーム機と競合している。任天堂は、 WIIUの今期の販売予想を従来の900万台から280万台に引き下げた。

だが、本質的な問題は任天堂がモバイル機器への大転換に打撃を受けているということだ。ゲーム愛好者は専用機を見切り、わずかなコストでソフトをダウンロードできるスマホやタブレットでゲームをするようになっている。

ゲームを直接販売するか開発者にライセンス供与することで、「スーパーマリオ」の「マリオ」や「ポケットモンスター」の「ピカチュウ」、「ゼルダの伝説」の「リンク」など、人気キャラクターをモバイル機器に無料で登場させるようにすべきだという声もある。

岩田社長「新たな事業構造」に言及

岩田聡社長は17日、「新たな事業構造は考えている」と述べた。任天堂は第3四半期決算発表の翌日に当たる今月30日に経営方針説明会を開催する予定だ。岩田社長はスマホなどをゲームビジネス拡大にどう使うか考えているとも話した。

スマホ向けゲームは、ゲーム自体を無料で提供し、追加機能に課金するものが多い。任天堂はこれまでこうしたゲームを、長期的な価値を破壊する短期的な金もうけの手段としてはねつけてきた。

10月に前回の決算発表を行った際、岩田社長は、国内で人気が続く3DSを擁護した。国内販売台数が2年連続で500万台を超えるという見通しを示し、モバイル機器がゲーム専用機に取って代わるという「仮説」には合わないと主張した。

モバイル機器に対する任天堂の不信感に多くの投資家は慎重になっている。トト氏は「同社がモバイル機器を拒むのは、解像度 が低くタッチパネルの性能が悪い30ドルのスマホでマリオをプレーして欲しくないという意味だ」と指摘。「だが、任天堂は最終的には抵抗できなくなる。今 やスマホやタブレットはあまりに強力で、あまりに多くの人の手にあるからだ」と話していた。